ナラティブアプローチとは?実生活にどのように生かせるかまで、徹底解剖!!

ナラティブアプローチとは?

ナラティヴ(narrative)とは日本語で「物語」を意味します。

そして、ナラティブアプローチとは、ある問題に対して「物語」を通して解決法を見出していくアプローチ方法です。

具体的には、カウンセリング時に、相談者自身が話す物語、つまりナラティブを通して解決法を見出し、相談者の言葉に耳を傾けることで、問題をどのように解釈しているのか理解し、最善の解決に導くことを目的としています。

ナラティブアプローチが生まれた背景

一般的にカウンセラー、医師、ソーシャルワーカーなど、社会福祉活動に従事している専門家はそれぞれの専門知識を持っています。

一方で、専門家を頼って相談する人は、社会福祉活動に従事している専門家のバックグランドや人となりを知らないし、専門知識も持っていません。そして相談をするということは、窮地に陥り、疲れ、弱っている状態にあるといえます。

このように専門家を頼る人は、専門家と比べると圧倒的に小さな力しか持っていません。

つまり、悩みを持つ相談者と専門知識を持ったカウンセラーの間に、大きな壁があるといえるでしょう。

そして、従来のカウンセリングはカウンセラーの一方的なアドバイスを提案しているだけでしたので、相談者を追い詰めてしまうこともありました。

そこで、こうしたカウンセリングのあり方を見直そうという動きからナラティブアプローチは生まれました。

しかし、このアプローチ方法は対人支援職の分野で大きな議論を呼びました。

ナラティブアプローチは専門家の「専門性」を重視するものでなく、あくまで相談者視点で物事を解決に導いていくアプローチ方法のため、「専門家が専門性を捨てるなら、専門家などいらないのではないか?専門性に対する侮辱だ」といった批判も多く起こりました。

このように当時はナラティブアプローチに関して賛否が分かれていましたが、次第に従来の解決方法ではどうしてもうまく解決に至ることのできなかった「困難な問題」を解決に導いた事例が増えてきました。

そして、2022年現在、ナラティブアプローチは一部で批判もありつつ、多くの対人支援分野で実践されています。

ナラティブとストーリーの違い

ここまで本記事をお読みになって、ナラティヴ(narrative)が「物語」という意味であれば、一般的に「物語」を意味する「ストーリー」と何が違うのかと疑問に思う方もいると思います。

このように混同されやすい2つの言葉ですが一般的に以下の違いになります。

【1】演者の違い

ストーリーはブランディングされたキャラクターや企業、ブランドが主役で、ナラティブはあくまで「生活者」が主役です。そして、生活者である誰しもが「自分の物語」を語ることができるものです。

【2】時間の違い

ストーリーには必ず起承転結があり、必ずエンディングがあります。しかしナラティブには基本エンディングはありません。過去・現在・未来と現在進行形で進むものなのです。

つまり2つの言葉の違いは、「演者が誰か」「完結しているか」という点にあるといえます。

ナラティブは一人ひとりが主役となって、より自由に語ることが出来るイメージです。つまり、ストーリと比べると広義的な意味合いとして使われることが多い言葉なのです。

ナラティブアプローチの効果

ナラティブアプローチには以下の効果が期待できます。

効果①|問題を整理できる。

相談者のナラティブを親身に聞くことで、相談者が抱えている問題を整理することができます。

効果②|専門家と相談者の距離が縮まる。

双方向のコミュニケーションにより問題の解決方法を探るため双方の距離が縮まります。

効果③|安心感を与えられる。

専門家の知ったかぶりや強要の心配なく対話できるので、相談者は安心して自分のストーリーを話すことができます。

このようにナラティブアプローチは、質問を投げかけながら相談者と専門家が対等な立場で会話を行うことにより、相談者のドミナントストーリーの観点から結論を導き出すことが出来る点が最大の効果といえます。

ナラティブアプローチの方法

では、ナラティブアプローチはどのように進めていけばよいのでしょうか。

ここではその手順について解説します。

手順①|相談者のドミナントストーリーに耳を傾ける

ドミナントストーリーとは、悩んでいる人が思い込んでいる物語のことです。

 その多くは自分に対して否定的なものであり、悩んでいる人はその物語に支配され、「これは変えることができない」と信じ込んでいることもあるため、聞き手である専門家はドミナントストーリーに丁寧に寄り添い耳を傾けるところから始めます。

手順②|問題の外在化

専門家は相談者のドミナントストーリーに耳を傾けて、対等な立場で対話を進めていきます。

そして、相談者から悩みの原因を切り離し、相談者自身が抱える問題点を客観視できるように「問題の外在化」を促します。

◉問題の外在化とは?

問題の外在化とは、相談者自身の悩みを言語化したり名付けることで、主観を離れ「客観視」できるようにすることです。

こうすることにより、相談者は自身の悩みをある種「他人事」のように捉え、客観視して向き合うことにより、問題解決の成功確率を高めることができます。

手順③|質問を行う

ナラティブアプローチの3つめの手順は、質問を行うことです。

一般的なカウンセリングでは、問題の解決に向けて専門家が相談者を誘導する場面も多く見受けられますが、ナラティブアプローチの質問内容は、抱えている問題や悩みに関する根本かつ具体的な原因を相談者自らが考えられるよう、反省的な問いかけにすることが多いです。

手順④|結論を導き出す。

ここでいう結論は、必ずしも相談者が抱えている問題や悩みに対する明確な答えでなくても問題ありません。

あくまで、相談者のドミナントストーリーの観点から例外的な結論を導き出すことが重要です。

そして、例外的な結論を導き出すことができたら、さらに質問を重ね、その結論を補強していきます。

手順⑤|オルタナティブストーリーを作っていく。

オルタナティブストーリーは、代替の物語を指します。

ドミナントストーリーで語られていた「自身のこだわり」や「思い込み」を好転させて意外性のあるオルタナティブストーリーへと書き換えていきます。

ナラティブアプローチは身の周りのどんなところで使われているのか?

ナラティブアプローチは身近の至る所で活用されています。

◉会社や職場での活用

会社や職場では、上司と部下や、従業員と企業カウンセラーなどの関係で使用されていたり、キャリアコンサルティングを導入する際、コンサルタントの一方的なアドバイスではなく、働く社会人一人ひとりのストーリーに耳を傾けることで、本来やりたかった事や生きがいを感じるキャリアを一緒に探すために活用している場面もあります。

◉アニメで活用

機動戦士ガンダムのシリーズに「機動戦士ガンダムNT」という作品があります。

もちろん、「機動戦士ガンダムNT」のNTとは「ナラティブ(narrative)」を指します。

「語り直す」や「編集する」といった意味を持つナラティブという単語と、ガンダムシリーズでは重要なキーワード「ニュータイプ」を掛け合わせました。

また作中に登場する「ナラティブガンダム」には、「定義するもの」「新たなニュータイプのナラティブ(物語)を紡ぎだすもの」という意味があるともいわれています。

◉企業のマーケティングで活用

例えば、ウォルト・ディズニー・スタジオでは、実際に働く社員のナラティブを紹介して会社をPRしたり、日本が世界に誇る自動車メーカーSUBARU(スバル)は、限りなくユーザーに近い人物像を主人公としたテレビCMやプロモーションを公開する「ナラティブマーケティング」を実施しています。

自分のことのように物語の世界に入り込めるこのプロモーションは、ユーザーが主人公を自分に投影しながら動画を楽しめる構成になっています。

このように、ビジネスやマーケティングに取り入れることで、ユーザーに商品やサービスのより本質的な価値を感じてもらえるようになります。

まとめ

今回はナラティブアプローチについて、その概要や活用方法などを説明させて頂きました。

ナラティブアプローチの根幹は、相談者の視点から入る「対話」にあり、まずは相談相手の話をありのまま受け入れるところからがスタートになります。

そして、相談者視点の会話を出発点に、フラットな立ち位置で話し合うことにより、相談者自身が問題を解決するきっかけを見つけ、考え方が変わっていくことを目指します。

つまりナラティブアプローチとは、相談者本人が主体的に語り、自分で発見したストーリーによって考え方の偏りに気づいたり、新たな価値を見つけていく、そんな自分の物語を編み直す試みといえるのではないでしょうか。

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