市場でのシェア率を高める_ランチェスター戦略の5大戦法_ランチェスター戦略とは?弱者の戦略と成功事例を徹底解剖!

ランチェスター戦略とは?弱者の戦略と成功事例を徹底解剖!

今回は、ランチェスター戦略の概要と成功企業の事例をご紹介させて頂きます。

ランチェスター戦略とは

ランチェスター戦略とは、第一次世界大戦の際、イギリスのエンジニア『ランチェスター』が提唱した、戦争に勝つための戦略でした。

そして、第二次世界大戦の際には、米軍がその戦略を採用しました。たちまち戦後の日本ではその戦略が産業に普及し、ビジネス上の戦略として広がっていきました。

あのSONYやPanasonicで有名な松下幸之助も参考にしたとも言われています。

つまり現在の日本ではビジネスやマーケティングの戦略の一つとして考えられている手法で、具体的には企業を「強者」と「弱者」に分類し、それぞれの取るべき戦術を示した理論となっています。

では、ランチェスター戦略における、強者・弱者はどのような定義なのでしょうか?

ビジネスの観点では以下の通りです。

◉ランチェスター戦略の強者・弱者の考え方

強者・・・業界でのシェア率26.1%(1/4以上)の一位

弱者・・・それ以外

ランチェスター戦略における「強者」というのは、単に規模や売り上げの大きさでなく、市場でのシェア率によって定まります。

そして、強者には強者の戦略があり、弱者には弱者の戦略があります。

それでは、どのように弱者が強者に対抗していけるのか考えていきましょう。

弱者は差別化で戦う。

弱者の戦略として、強者と同類のサービスや商品で戦おうとしても、絶対に負けてしまいます。

もう既に、認知度と品質が保証されている商品の真似をしたところで、ただのパクリだと批判されるだけです。

つまり、まだ市場で認知がない企業が本当にやらなければいけないことは「差別化」であり、強者が「やっていないこと」をやることです。

そして、ある程度の認知度・品質が保証され始めてから、強者と同じようなことをやる。

ここがまず、ランチェスター戦略の第一のポイントです。

それでは、弱者が強者に打ち勝つための戦略を具体的に説明していきます。

ランチェスター戦略|5大戦法

ランチェスター戦略には5つの戦法があります。

戦闘力が同じであれば人数が多い側が勝ちます。そのため弱者は、正面から挑んでも強者には勝てません。ビジネスでは次の「弱者の5大戦略」をもって強者に勝つとされています。

◉ランチェスター戦略5代戦法

【1】局地戦:ビジネスの領域を絞る

【2】一騎討ち:1社と競合する

【3】接近戦:競合ではなく、顧客に接近する

【4】一点突破主義:一点に絞って戦う

【5】奇襲攻撃(陽動作戦):競合相手の裏をかく戦法

ここで一つ、かの有名な「桶狭間の戦い」をベースに説明させて頂きます。

まずこの戦は、今川義元の兵力2万人に対して、織田信長の兵力は3千人あまりでした。

そんな兵力が乏しい織田信長が考えたのが、兵力を揺動し分散させ、その隙に今川義元【単体】に奇襲攻撃を行うといったものでした。

結果的に、今川義元の兵力は揺動により分散され、周りで防御する兵力が300人程度になったその隙に、織田信長の2千の兵力が一斉に襲いかかるといったものでした。

局地戦に持ち込み、その上で相手の数を減らし、直接接近したのちに、そこに多くの兵力を投下し奇襲する。

この領域を絞り込んで局地戦で勝負するその様は、まさにランチェスター戦略そのものといっても過言ではありません。

ランチェスター戦略のビジネスでの活用例

冒頭で説明した通り、ランチェスター戦略は、市場で弱い立場にある人や企業、ブランドが、シェア率の高い強者にどのように挑むかを考えた弱者の戦術で、軍事戦略を基にして編み出された戦略です。

一方で強者側の戦略にも活用することができ、両者の戦略は以下の通りです。

◉弱者の戦略理論

弱者の戦略を考える上でまずは自社の戦闘力を把握する必要があります。

戦闘力は、「武器効率(質)×兵力数(量)」で求められます。

この公式にあてはめると多数の兵士(社員)がいる側(大企業)が圧倒的に有利ですが、社員の少ない中小企業は、数ではなく質を高める戦略に替えることにより、労働環境を整えて業務を効率化すれば成果も上がります。

つまり、弱者の基本戦略は【差別化】です。

◉強者の戦略理論

強者の戦略はすでに量(社員数)で勝っている企業が2位以下の弱者を寄せ付けないための方法を考える必要があります。

これを【ミート戦略】といい、弱者の基本戦略である「差別化戦略」を封じ込める戦法です。

資質が同等であれば、量で勝っている大企業の大勝利は間違いありません。模倣、2番手作戦、追随などをミートと呼ばれることもあります。

弱者の戦略、ランチェスター戦略の成功事例3選

それでは今回は弱者の視点に立ち、シェア率のまだ低い企業がどのような戦略で市場でのシェアを勝ち取ってきたのか、成功企業の事例をご紹介させて頂きます。

成功事例①|セブン・イレブン

今や誰もが知っているセブンイレブンですが、コンビニエンスストア事業を開始したのはローソンやファミリーマートに比べると後発です。

今でこそ全国区のセブンイレブンも、一斉に全国展開されたわけではありません。エリアごとに徐々に進出し、コンビニエンスストア業界で圧倒的なシェアを誇るまでに成長を遂げました。

そして、その用いられた戦略が、まさしくランチャスター戦略の「一点突破」でした。店舗を増やすにあたり、攻めるエリアを絞り込み、集中的に出店することで急速な認知度アップ実現させています。

◉ローソンの多い大阪エリアでシェアを拡大

1990年代後半の大阪はローソンの店舗数、利用者数がトップクラスでした。

そこで、セブン・イレブンが取った戦略が、エリア内に連続で密度の高い出店を続けるというものでした。

街中で急に目にすることが多くなったセブン・イレブンには顧客の関心が集まり、その密度の高さによって目新しさより親近感が上回るまでそう時間はかかりませんでした。

成功事例②|タニタのヘルスメーター

体重や体脂肪率を測るヘルスメーターの世界トップシェアを誇るタニタですが、1980年代までは「体重計」の他にトースターやライターなどの生産ラインも所有するメーカーで、体重計以外は赤字になっていました。

そこでタニタが取った戦略は、まず赤字部門を切り捨てて体重計だけを生産する【集中戦略】をとりました。

これがダイエット志向の女性にウケて「タニタの計り」は大ヒットし、オムロンやパナソニックなどの大企業をしのいで国内トップシェアを獲得しました。その後、世界で初めて家庭で体脂肪率を計測できる「ヘルスメーター」を開発するというさらなる差別化で世界トップシェアに躍進したのです。 

成功事例③|アパホテル

今ではビジネスホテルとして確固たる地位を確立しているアパホテルですが、今の知名度になるまでランチェスター戦略の「局地戦」を活用してきました。

特に創業時のアパホテルのエリア戦略はまさに、ランチェスター戦略の「局地戦」を意識しています。

石川県小松市で注文住宅販売店として創業したアパグループがホテル業に乗り出した時、まずは県内の金沢市(中心地)に目をつけ、「3点攻略法」を用いて攻略を始めました。

◉3点攻略法とは?

3点攻略法とは、特定のエリアを攻略する際に、いきなり中心地に開設するのではなく、まずはそれを囲う三角形を作るように拠点を設けることで、中心部(攻略したい土地)での成功を目指す戦略です。

このように、石川県小松市で注文住宅販売会社を創業したあと、石川県金沢市の西部に第1号ホテルをオープン。

第2号店を金沢市の東部、第3号店を北部に建てて金沢市内での存在感を高めてから、金沢の中心部に本社を移転。

結果、アパホテルの金沢(中心地)への進出は成功を収め、その後、富山、福井、関西とエリアを拡大していきました。

まとめ

今回はランチェスター戦略のなかでも、一部分の戦略でしたが、弱者の戦略と成功企業の事例をご紹介させて頂きました。

特に自社が弱者の立場の場合、ランチェスター戦略における【弱者の戦略】が必要不可欠です。

そしてその中でも他社競合との【差別化】が重要です。

商品の性能や品質だけではなく、ランチェスター戦略では顧客やユーザーの立場になって「選ばれる企業になるためにはどうすればいいか?」「そのためにはどこを差別化すればいいか?」といった考え方が必要です。

是非とも本記事をきっかけにランチェスター戦略を自社にも取り入れてみては如何でしょうか。

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