「見込み客に向けて情報発信をしているのに、なぜか反応が良くない」
「デジタル化が進み、これまでの営業が通用しなくなった」
このように、デジタル時代において顧客獲得や営業に苦戦しているBtoB企業も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、Webサイトやメール配信から見込み客の流入が期待できる「パーソナライゼーション」についてご紹介します。
パーソナライゼーションは、購買に至るサイクルが長いBtoB企業において特に効果が期待されます。
この記事を読むことで、現代の情報発信に有力な手段を理解していきましょう。
パーソナライゼーションとは?

パーソナライゼーションとは、「顧客一人ひとりのニーズを把握し最適な情報を提供するマーケティング手法」の一つです。
身近な例として、Amazonの「レコメンド機能」が挙げられ、ユーザーがAmazonで検索・購入した商品に関連したおすすめ商品が表示されます。
レコメンド機能のように、パーソナライゼーションでは顧客それぞれの興味や属性に合わせた情報を提供し、顧客満足度を上げる目的があります。
近年、ネットの普及に伴い、従来のマスメディアを利用した画一的な情報発信方法が衰退し、それぞれの「個客」にパーソナライズされた情報提供が重要性を増してきています。
パーソナライゼーションとカスタマイゼーションの違い
パーソナライゼーションとカスタマイゼーションは、「顧客の興味を惹きつける」という共通項があるため混同されやすい概念ですが、「最適化の目的」と「最適化を実施する人」の2つにおいて大きく異なります。
以下の表にて、パーソナライゼーションとカスタマイゼーションの違いをまとめました。
概要 | 最適化の目的 | 最適化の実行者 | 代表例 | |
パーソナライゼーション | 顧客のニーズに合わせて企業側が商品やサービスを提案 | 顧客満足度や顧客単価の向上 | 企業 | 企業からのメルマガ登録 |
カスタマイゼーション | 顧客自身が与えられた選択肢の中で選ぶ | 商品やサービスを通じて顧客体験を向上させ、購買行動やサービス利用につなげる | 顧客 | ECサイトのレコメンド機能 |
例えば、Amazonが顧客の購入履歴に基づきおすすめ商品を表示するのはパーソナライゼーションとなります。
一方で、Amazonからのメールマガジン配信設定はカスタマイゼーションと言えます。
利便性が重要視される中で、顧客が労力を使いカスタマイズするのではなく、企業が顧客用にパーソナライズする「パーソナライゼーション」に期待が寄せられています。
パーソナライゼーションのメリット

パーソナライゼーションに取り組むべきか、お悩みの方も多いのではないでしょうか。
ここでは、パーソナライゼーションにおけるメリットについてご紹介します。
- 顧客離れの防止やリピーター客の獲得
- 費用対効果の向上
それでは一つずつ見ていきましょう。
メリット①:顧客離れの防止やリピーター客の獲得
パーソナライゼーションのメリットの1つとして「顧客離れの防止やリピーター客の獲得」が挙げられます。
例えば、パーソナライゼーションの先駆けともいえる米Evergage社の「2018 Trends in Personalization」にて、「パーソナライズが顧客との関係性の進展に影響を与えていると98%以上の企業が考えている」と発表しています。
つまり、パーソナライゼーションを活用することで、顧客との関係性がより強固になるため、顧客離れの防止や既存顧客の囲い込みに効果が期待できるでしょう。
メリット②:費用対効果の向上
パーソナライゼーションのメリットには「費用対効果の向上」も挙げられます。
不特定多数に情報を提供するマスマーケティングとは異なり、ターゲットを絞って情報を届けることができるため、広告費やメディア運営費用を大幅に削減できます。
また、マーケティングツールを使えば運用工数を減らすことも可能なため、人件費も抑えることができるでしょう。
パーソナライゼーションを成功させるポイント
パーソナライゼーションを単に実行するだけでは、失敗する可能性があります。
ここでは、パーソナライゼーションを成功させる3つのポイントについてご紹介します。
- 顧客の目的や検討段階に着目する
- 自社に合ったパーソナライゼーションツールを活用する
- パーソナライズ設定を定期的に見直す
それでは一つずつ見ていきましょう。
ポイント①:顧客の目的や検討段階に着目する
「顧客の目的や検討段階に関する情報を得る」ことができれば、パーソナライゼーションの成功へ一歩近づくことができるでしょう。
以下の表にて、見込み客の行動に基づく自社が取り組むパーソナライゼーションについて見ていきましょう。
自社への関心度 | 見込み客の行動例 | 自社のパーソナライゼーション例 | |
検討段階 | 低 | 名前やメールアドレス登録 | 業界のトレンド情報や勉強会の案内メール |
情報収集段階 | 中 | ホワイトペーパーをダウンロード | 自社セミナーへの無料招待や導入事例の案内メール |
比較検討段階 | 高 | 自社サイトの料金表のダウンロードや、予算・スケジュールなど具体的な情報を提示 | 個別相談会の案内で踏み込んだヒアリング |
注意点として、初めから情報提供を促すのではなく段階的にヒアリングすることで、見込み客からの信頼度を上げるようにしましょう。
このように多くの企業が、自社Webサイトやメール配信を通じて見込み客が抱える課題に対し情報を提供することで、商談獲得や利益向上に結びつけています。
ポイント②:自社に合ったパーソナライゼーションツールを活用する
いきなりパーソナライゼーションを実施しようしても、知見がある人が自社におらず踏み出せない企業も多いのではないでしょうか。
そこで、メールの配信やターゲティングなどのマーケティングを自動化する「パーソナライゼーションツール」を活用することで、気軽にパーソナライゼーションを顧客に適用することができます。
例えば、管理された顧客データに基づき、「どの手段を採用しどのタイミングでサービスをアプローチするのか」などを見込み客の行動から自動的に実行します。
最近では、詳細な設定を行うことなくAIにより最適化してくれるため、マーケティング知識が不十分でも、顧客満足度の向上や収益拡大を期待できると言えます。
ポイント③:パーソナライズ設定を定期的に見直す
BtoBでパーソナライゼーションを成功させるためには、「競合や環境の変化に応じて柔軟に修正すること」も重要です。
BtoBにおいても顧客を取り巻く環境や市場、嗜好などは常に変化しています。
そのため、変化を取り入れることなく、古い情報を提供し続けると、価値のない企業と判断され顧客が離れてしまう原因となる可能性があります。
そこで、1度決定したパーソナライズ設定を定期的に見直し、常に最新情報を提供することが重要となってきます。
パーソナライゼーションの取り組み内容を修正し続けることで、顧客にとって自社の有用性を高めていくことができるでしょう。
まとめ

今回は、パーソナライゼーションの概要やメリット、ポイントについて詳しくご紹介してきました。
日本においてもIT化やDX推進が進み、今後ますますネットを活用した営業が主流となりパーソナライゼーションが重要となってきます。
ご紹介したパーソナライゼーションのポイントを押さえた上で、パーソナライズを活用してみてはいかがでしょうか。