「SDGs」や「持続可能な開発」という言葉が日本の企業においても浸透しつつあります。
しかしながら、企業において何ができるのか今一つ理解していない方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、「中小企業でも取り組みやすいSDGs活動」についてご紹介します。また、実際に活動する段階になった際にどのような手順で進めれば良いかについても解説します。
SDGs活動を成功させている企業の具体例を見ながら理解を深めていきましょう。
SDGsのために会社でできることから取り組むべき理由は?
近年、少子高齢化やIT化により、企業を顧客とするBtoB企業においても大きくビジネス環境が変化しています。
そのため、顧客のニーズが多様化し、事業経営において課題を抱える企業も少なくありません。
そこで、SDGsに取り組むことにより、自社の利益だけでなく社会的に貢献する優良企業であることを対外的にアピールすることで、自社の社会的信頼度を上げることにつながります。
信頼度が上がれば、新たな事業展開や優秀な人材を確保できるメリットもあります。
ここで、SDGsの17の目標について確認しましょう。
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなに そしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任 つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
- 平和と公正をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
これから企業においてどのような取り組みを進めるべきか具体的に説明していきます。
SDGs達成のために会社でできること

ここでは、SDGs達成のために会社で出来ることをご紹介します。
- 環境に配慮したものを活用
- ペーパーレスの導入や電子化を進める
- エアコン等の電気使用量削減
- 女性管理職の登用や従業員の働き方の見直し
それでは一つずつ見ていきましょう。
できること①:環境に配慮したものを活用
SDGs達成のために会社で出来ることの1つ目として「環境に配慮したものを活用する」ことが挙げられます。
こちらは「陸の豊かさを知ろう」や「気象変動に具体的な対策を」に該当します。
具体的な事例として、「株式会社エムアンドエムソックス」では、地球に優しい植物由来の染料を使用した靴下など環境に配慮した商品を提供しています。
また、「有限会社金子商店」では、業務で使用するプリンタ用カートリッジのリサイクルを100%実施しています。
環境に配慮した商品を開発することや、廃棄物を出さないようにすることもSDGsの取り組みの一環となります。
また、商品開発が難しい場合に、地域での植樹イベントを企画する企業も少なくありません。
できること②:ペーパーレスの導入や電子化を進める
SDGs達成のために会社で出来ることの2つ目は「ペーパーレスの導入や電子化を進める」ことです。
こちらの取り組みは「陸の豊かさを知ろう」や「気象変動に具体的な対策を」、「つくる責任 つかう責任」に該当します。
具体例として、「C&Cグループ」では、会議や打ち合わせにはタブレットやパソコンを持参し紙資料の印刷を削減することで、廃棄物の発生防止を目指しています。
ペーパーレスは一見簡単に思える活動ですが、紙での作業に慣れている従業員にとっては作業効率が下がってしまいます。
従業員の理解を得ながら、段階的に取り組んでいくことが重要です。
できること③:エアコン等の電気使用量削減
SDGs達成のために会社で出来ることの3つ目は「エアコン等の電気使用量削減に取り組む」ことです。
こちらは「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」と「気象変動に具体的な対策を」が当てはまります。
具体的な例として、「株式会社イーテック」では、事務所等の商業施設における15年前の空調機を改修することで約80%の省エネルギーを達成することを明言しています。
エアコンの設定温度見直しや社内電気設備の買い替えなど、節電を目的とした取り組みは比較的取り組みやすいと言えるでしょう。
できること④:女性管理職の登用や従業員の働き方の見直し
SDGs達成のために会社で出来ることの5つ目として「女性管理職の登用や従業員の働き方の見直し」が挙げられます。
こちらは「5.ジェンダー平等を実現しよう」に関する取り組みになります。
具体例として、「株式会社川口鉄筋建設」では、「とちぎ女性活躍応援団」の会員になることで、女性の活躍を応援するなどジェンダー平等を達成するための活動を行なっています。
中小企業においては、コスト面等から在宅ワークやハラスメント防止対策室を導入するのは困難と言えます。
難しい場合は、地域の女性活躍や働き方の改善を進める団体に所属することから始めることをお勧めします。
SDGs達成のために会社でできることを始める手順

最後に、SDGsを始める手順についてご紹介します。
- SDGsに対する理解を深める
- 目標と計画を決める
- SDGsの取り組み開始
- 目標達成度の評価
それでは一つずつ見ていきましょう。
ステップ①:SDGsに対する理解を深める
まず、SDGsに対する理解を深めることから始めましょう。
初めにSDGsの担当者を数人決め、経営陣と共にSDGsの研修やセミナーに参加すると良いでしょう。
経営陣が参加することで、全社で実行しなければならないという協力体制を作ることができます。
また、同業者が「どのようなSDGsの取り組みを行っているのか」について、ネットで検索にて調べ共有することで、具体的な活動内容を想像しやすくなります。
様々な事例を参考に理解を深めていきましょう。
ステップ②:目標と計画を決める
次は、SDGsの達成目標とそれに伴う複数の短期計画を策定していきましょう。
例えば、「節電節水を心がけ78%の省エネルギーを目指す」や「自社製品のリサイクルを心がけ廃棄物を70%減らす」など、具体的な数値目標を掲げるのがポイントです。
目標に関しては、自社が優先的に取り組むべき課題をもとに、長期的に取り組める内容を決めるようにしましょう。
ステップ③:SDGsの取り組み開始
目標と計画に従って、SDGsの取り組みを行います。
この時の注意点として、中小企業の場合は特に従業員のスケジュール調整に気を使うようにしましょう。
余裕のない工程の中にSDGsの活動を入れると従業員の不満が増え、「働きがいも経済成長も」に反してしまいます。
従業員がモチベーションを維持できるように、経営陣自ら参加すると良いでしょう。
ステップ④:目標達成度の評価
ステップ②で決めた目標に対して達成できているかどうか評価しましょう。
数値的にどれくらい達成できているのか全社員に共有し、達成度合いによって短期計画を微調整します。
もし、計画通りに進んでいない場合は、原因を調査し根本から解決することが大事です。
以上、①〜④を順番に取り組むことでSDGsの活動を始めることができます。
まとめ:SDGs達成のためには会社でできることから着実に

今回、SDGsを達成するために会社でできることについて以下の4つを具体例と共に解説してきました。
- 環境に配慮したものを活用
- ペーパーレスの導入や電子化を進める
- エアコン等の電気使用量削減
- 女性管理職の登用や従業員の働き方の見直し
SDGsは企業の規模に限らず、取り組むべき課題です。
この記事を参考に、SDGsを達成するための目標を立て実施できることから始めましょう。