明日からできるSDGs。会社でできることを事例と共に徹底解説!

  • 2022年2月19日
  • 2023年7月12日
  • SDGs
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「SDGs」や「持続可能な開発」という言葉が日本の企業においても浸透しつつあります。

しかしながら、企業において何ができるのか今一つ理解していない方も多いのではないでしょうか。

SDGsについて理解することで、社会の課題への理解が深まり消費者の隠れたニーズを見つけ出すことができるようになります。

そこで本記事では、「中小企業でも取り組みやすいSDGs活動」についてご紹介します。

また、実際に活動する段階になった際にどのような手順で進めれば良いかについても解説します。

具体的には

  • SDGsとは
  • 企業がSDGsを重要視する理由
  • SDGsのために会社でできることから取り組むべき理由
  • SDGs達成のために会社でできること
  • SDGs達成のために会社でできることを始める手順
  • 企業におけるSDGsの活用事例

の観点から解説していきます。

SDGs活動を成功させている企業の具体例を見ながら理解を深めていきましょう。

SDGsの取り組みをホームページに掲載したいという方はこちらもご覧ください

SDGsとは

「SDGs」とは、持続可能な開発目標のことをいいます。

具体的には、世界中にある環境問題や差別、貧困や人権問題などの様々な課題を世界中の人々みんなで、2030年までに解決していこうという目標、計画のことを指します。

ここでいう「持続可能」とは「人間の行動が自然に悪影響を与えることなく、活動を維持することができる」ことを意味し、長期に渡って改善する動きを実施し続けることができるということを表します。

方針・目標をより簡潔にまとめると

  • 貧困で困っている人を救う:発展途上国への支援が該当
  • 差別のない社会を作る:年齢・性別・人種・民族・障がいなどで差別されない社会を作る
  • 環境を大切にする:地球や自然環境に配慮しながら、国や自治体が活動できるようにする

です。

SDGsに取り組む企業は、これら3つの目標・方針をもとに施策していきます。

企業がSDGsを重要視する理由

企業がSDGsを取り組むことが重要だと考える理由として、

  • 企業のブランドイメージの向上に繋がる
  • 新しいビジネスが誕生するきっかけになる
  • 社員のモチベーションの向上や維持に繋がる
  • 投資家に対してアピールすることができる

の4点が挙げられます。

企業のブランドイメージの向上に繋がる

企業がSDGsに取り組んでいるというだけで、企業全体がイメージアップします。

SDGsに興味・関心がもたれている現在では、SDGsに取り組んでいることが社外の人にも伝わることで、信頼を得ることに繋がり消費者から自社製品を選んでもらうきっかけになります。

これにより、自社製品やサービスの売り上げが伸びたり、優秀な人材を確保することができたりと得られるメリットが大きいです。

新しいビジネスが誕生するきっかけになる

SDGsは世界規模の課題を解決するための施策です。

SDGsの取り組みを推し進めていくことで、行政や他社といった外部の人と一緒に企画を出す機会も多くなるでしょう。

そのため、SDGsに取り組むことは今まで考えていなかったビジネスの形や製品、サービスを見つけ出すことが可能になります。

自社だけでは考えもつかないアイデアも他の企業や行政と連携を取ることで、より斬新なアイデアによって新しいビジネスが誕生するきっかけになっていくでしょう。

社員のモチベーションも向上や維持に繋がる

SDGsに取り組む企業全体で取り組んでいくためには、社員一人一人がSDGsに対して理解し考えることが重要です。

社員一人一人がSDGsの取り組みに目を向けるようになると「自分達は社会に貢献しているんだ」という意識が強まります。

その結果、一人一人のモチベーション向上や維持に期待でき、SDGsに関する業務ではない日頃の業務に対しても熱意をもって生き生きと取り組むことができるようになります。

投資家に対してアピールすることができる

投資家がどの企業に投資するかを決定する際に、社会貢献に繋がる取り組みを行っているかどうかが判断基準の一つとなっていくでしょう。

投資家が企業に対して投資をする際に「この先成長し続けて儲かる企業か」だけでなく「世の中がより良くなる企業かどうか」という点に注目しています。

SDGsは世界における社会問題の解決に関する目標を定めているものです。

そのため、SDGsの取り組みをしているというのは、投資家に対して大きなアピールポイントになっていきます。

SDGsに取り組む企業への投資家からの注目は、今後さらに増していく可能性が高いです。

SDGsのために会社でできることから取り組むべき理由は?

近年、少子高齢化やIT化により、企業を顧客とするBtoB企業においても大きくビジネス環境が変化しています。

そのため、顧客のニーズが多様化し、事業経営において課題を抱える企業も少なくありません。

そこで、SDGsに取り組むことにより、自社の利益だけでなく社会的に貢献する優良企業であることを対外的にアピールすることで、自社の社会的信頼度を上げることにつながります。

信頼度が上がれば、新たな事業展開や優秀な人材を確保できるメリットもあります。

ここで、SDGsの17の目標について確認しましょう。

  1. 貧困をなくそう
  2. 飢餓をゼロに
  3. すべての人に健康と福祉を
  4. 質の高い教育をみんなに
  5. ジェンダー平等を実現しよう
  6. 安全な水とトイレを世界中に
  7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  8. 働きがいも経済成長も
  9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
  10. 人や国の不平等をなくそう
  11. 住み続けられるまちづくりを
  12. つくる責任 つかう責任
  13. 気候変動に具体的な対策を
  14. 海の豊かさを守ろう
  15. 陸の豊かさも守ろう
  16. 平和と公正をすべての人に
  17. パートナーシップで目標を達成しよう

これから企業においてどのような取り組みを進めるべきか具体的に説明していきます。

SDGs達成のために会社でできること

ここでは、SDGs達成のために会社で出来ることをご紹介します。

  • 環境に配慮したものを活用
  • ペーパーレスの導入や電子化を進める
  • エアコン等の電気使用量削減
  • 女性管理職の登用や従業員の働き方の見直し

それでは一つずつ見ていきましょう。

できること①:環境に配慮したものを活用

SDGs達成のために会社で出来ることの1つ目として「環境に配慮したものを活用する」ことが挙げられます。

こちらは「陸の豊かさを知ろう」や「気象変動に具体的な対策を」に該当します。

具体的な事例として、「株式会社エムアンドエムソックス」では、地球に優しい植物由来の染料を使用した靴下など環境に配慮した商品を提供しています。

また、「有限会社金子商店」では、業務で使用するプリンタ用カートリッジのリサイクルを100%実施しています。

環境に配慮した商品を開発することや、廃棄物を出さないようにすることもSDGsの取り組みの一環となります。

また、商品開発が難しい場合に、地域での植樹イベントを企画する企業も少なくありません。

できること②:ペーパーレスの導入や電子化を進める

SDGs達成のために会社で出来ることの2つ目は「ペーパーレスの導入や電子化を進める」ことです。

こちらの取り組みは「陸の豊かさを知ろう」や「気象変動に具体的な対策を」、「つくる責任 つかう責任」に該当します。

具体例として、「C&Cグループ」では、会議や打ち合わせにはタブレットやパソコンを持参し紙資料の印刷を削減することで、廃棄物の発生防止を目指しています。

ペーパーレスは一見簡単に思える活動ですが、紙での作業に慣れている従業員にとっては作業効率が下がってしまいます。

従業員の理解を得ながら、段階的に取り組んでいくことが重要です。

できること③:エアコン等の電気使用量削減

SDGs達成のために会社で出来ることの3つ目は「エアコン等の電気使用量削減に取り組む」ことです。

こちらは「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」と「気象変動に具体的な対策を」が当てはまります。

具体的な例として、「株式会社イーテック」では、事務所等の商業施設における15年前の空調機を改修することで約80%の省エネルギーを達成することを明言しています。

エアコンの設定温度見直しや社内電気設備の買い替えなど、節電を目的とした取り組みは比較的取り組みやすいと言えるでしょう。

できること④:女性管理職の登用や従業員の働き方の見直し

SDGs達成のために会社で出来ることの5つ目として「女性管理職の登用や従業員の働き方の見直し」が挙げられます。

こちらは「ジェンダー平等を実現しよう」に関する取り組みになります。

具体例として、「株式会社川口鉄筋建設」では、「とちぎ女性活躍応援団」の会員になることで、女性の活躍を応援するなどジェンダー平等を達成するための活動を行なっています。

中小企業においては、コスト面等から在宅ワークやハラスメント防止対策室を導入するのは困難と言えます。

難しい場合は、地域の女性活躍や働き方の改善を進める団体に所属することから始めることをお勧めします。

SDGs達成のために会社でできることを始める手順

最後に、SDGsを始める手順についてご紹介します。

  1. SDGsに対する理解を深める
  2. 目標と計画を決める
  3. SDGsの取り組み開始
  4. 目標達成度の評価

それでは一つずつ見ていきましょう。

ステップ①:SDGsに対する理解を深める

まず、SDGsに対する理解を深めることから始めましょう。

初めにSDGsの担当者を数人決め、経営陣と共にSDGsの研修やセミナーに参加すると良いでしょう。

経営陣が参加することで、全社で実行しなければならないという協力体制を作ることができます。

また、同業者が「どのようなSDGsの取り組みを行っているのか」について、ネットで検索にて調べ共有することで、具体的な活動内容を想像しやすくなります。

様々な事例を参考に理解を深めていきましょう。

ステップ②:目標と計画を決める

次は、SDGsの達成目標とそれに伴う複数の短期計画を策定していきましょう。

例えば、「節電節水を心がけ78%の省エネルギーを目指す」や「自社製品のリサイクルを心がけ廃棄物を70%減らす」など、具体的な数値目標を掲げるのがポイントです。

目標に関しては、自社が優先的に取り組むべき課題をもとに、長期的に取り組める内容を決めるようにしましょう。

ステップ③:SDGsの取り組み開始

目標と計画に従って、SDGsの取り組みを行います。

この時の注意点として、中小企業の場合は特に従業員のスケジュール調整に気を使うようにしましょう。

余裕のない工程の中にSDGsの活動を入れると従業員の不満が増え、「働きがいも経済成長も」に反してしまいます。

従業員がモチベーションを維持できるように、経営陣自ら参加すると良いでしょう。

ステップ④:目標達成度の評価

ステップ②で決めた目標に対して達成できているかどうか評価しましょう。

数値的にどれくらい達成できているのか全社員に共有し、達成度合いによって短期計画を微調整します。

もし、計画通りに進んでいない場合は、原因を調査し根本から解決することが大事です。

以上、①〜④を順番に取り組むことでSDGsの活動を始めることができます。

企業におけるSDGsの活用事例

ここまで、SDGsを活用するための手順などを紹介してきました。

ここからは、実際の活用事例について見ていきます。

具体的には、

  • 三陽商会「エシカルブランドで、リブランディング」
  • 花王「消費者の利便性を守りながら、プラスチック使用量削減」
  • 第一三共株式会社「パリ協定の目標に沿って2030年までにCO2排出量27%削減」
  • トヨタ自動車「トヨタ環境チャレンジ2050」

などの企業が挙げられます。

三陽商会「エシカルブランドで、リブランディング」

三陽商会では、SDGs目標12「つくる責任・つかう責任」を念頭に置いて、「地球を愛する」「服を愛する」という2つのカテゴリーに分けた活動をそれぞれ推進しています。

具体的には取り組みとして「ビニール製のショッピングバックの廃止」や「リアルファーの使用禁止の禁止」など多岐に渡ります。

他には、サプライチェーンの現場が働く環境として公正であるかどうかに注目し、環境だけでなく人権にも配慮した服づくりを行っています。

参考:三陽商会のサステナブルアクションプラン「EARTH TO WEAR」

花王「消費者の利便性を守りながら、プラスチック使用量削減」

花王はSDGsの目標14「海の豊かさを守ろう」に取り組み、プラスチックの使用量削減を目指しています。

プラスチックによる海の汚染は重大な問題で、近年ではプラスチックがより細分化された「マイクロプラスチック」が海の生物に大きな影響を与えるとして問題視されています。

プラスチックの使用量を削減しながら、消費者の詰め替えやすさを追求した詰め替え容器を開発したことで、日本国内で発売されているトイレタリー製品に使われるプラスチックの量を74%減らすことに成功しました。

問題視されやすいプラスチック用品をSDGsの取り組みによって武器にしている例と言えるでしょう。

参考:花王 サステナビリティ トピックス

第一三共株式会社「パリ協定の目標に沿って2030年までにCO2排出量27%削減」

第三共株式会社では、CO2を削減という目標の達成を目指してSDGsの目標13「気候変動に具体的な対策を」に取り組んでいる企業です。

2019年10月には、グループ会社である小名浜工場内に、出力3.3MWという大きさを持つ自家消費型太陽光発電設備の導入を決定し、2020年12月から稼働させています。

この自家消費型太陽光発電設備は、化粧品業界では国内最大級と言われています。

自家消費型太陽光発電設備によって、小名浜工場から1年で排出されるCO2の量が約20%も削減されると見込まれています。

参考:公益財団法人 地球環境戦略研究機関 ESG時代におけるSDGsとビジネス ~日本における企業・団体の取組み現場から~

トヨタ自動車「トヨタ環境チャレンジ2050」

世界的な自動車メーカーであるトヨタ自動車では、持続可能な社会の実現に貢献することを目的として「トヨタ環境チャレンジ2050」を打ち出しました。

重点的に取り組むべき事柄を6つのチャレンジとしました。

具体的には、

  • 新車の二酸化炭素排出量をゼロにするチャレンジ
  • 工場の二酸化炭素排出量をゼロにするチャレンジ
  • 製造から廃棄までのライフサイクルで排出される二酸化炭素をゼロにするチャレンジ
  • 水使用量の最小化と排水の管理を行う水環境インパクト最小化チャレンジ
  • 循環型社会・システムを構築するチャレンジ
  • 人と自然の共生に向けたチャレンジ

です。

この6つのチャレンジの中でも「新車の二酸化炭素排出量をゼロにするチャレンジ」では、製造する自動車の電動化を進め、電動車の選択肢を広げることを目的とした開発が行われています。

電動車の選択肢を広げる開発に力をいれることで、電動車を選択することを当たり前にしようとしています。

加えて、世界的にも自動車の販売台数トップレベルの企業であるトヨタ自動車がこれらの取り組みをすることで、大きなインパクトを与えていくでしょう。

自動車事業の特徴を生かしたSDGsの取り組み例と言えます。

参考:トヨタ自動車「トヨタ環境チャレンジ2050」

まとめ

今回、SDGsを達成するために会社でできることについて以下の4つを具体例と共に解説してきました。

  • 環境に配慮したものを活用
  • ペーパーレスの導入や電子化を進める
  • エアコン等の電気使用量削減
  • 女性管理職の登用や従業員の働き方の見直し

SDGsは企業の規模に限らず、取り組むべき課題です。

SDGsに取り組むことによって、社外の人に向けて自社の商品やサービスをアピールすることができたり、消費者のニーズを明らかにできるなど様々なメリットがあります。

この記事を参考に、SDGsを達成するための目標を立て実施できることから始めましょう。

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