論理的思考(ロジカルシンキング)とは

組織でよく使われる「論理的思考」や「ロジカルシンキング」という言葉ですが、意味としては「伝えたい事を、根気に基づき、筋道立てながら考えること」を指します。
自分の伝えたい事を感情のまま伝えるのでなく、まずは自分の中で整理し、矛盾や脚色のない筋道を立てる思考法です。
例えば、組織のメンバーが同じ目的のために行動をしていても、自分が思っている事と、他のメンバーが思っていることが異なるケースが多いです。
特に最近はリモートワークで意思疎通が図りづらい状況下のため、組織のメンバー一人ひとりの考え方がズレることなく目的を達成するためにも、論理的思考(ロジカルシンキング)は必要不可欠と言えます。
論理的思考(ロジカルシンキング)の必要性
論理的思考力(ロジカルシンキング)は、ビジネスに必要なスキルとされています。ここでは2つの必要性を解説します。
1.問題解決に役立てられる。
ビジネスの多くは「問題解決」が軸となります。
例えば、お客様の悩みごとを解決することは「問題解決」にあたります。また、社内でトラブルが発生した際にその原因を特定し、対策を考えていくことも「問題解決」です。
社内外問わず、問題解決を行なっていくためには「これは本当に問題として捉えるべきか」「問題が発生した原因は何か」「本質的な解決策は何か」といった風に筋道立てて考えることが大切です。
一方で、筋道立てながら考えることを怠ると、その場しのぎの表面的な解決策となってしまい、本質的な解決にはなりません。
その結果、目的が達成できず業績が上がらないということになってしまいます。
そこで論理的思考(ロジカルシンキング)を身につけることで本質的な問題解決を行えると同時に、仕事でも成果を上げることが期待できる万能な思考法と言えます。
2.コミニュケーションが上手く取れるようになる。
ビジネスは一人では完結することはできません。特に組織で働く以上、メンバーの協力が必要不可欠です。
例えば、社内でプレゼンテーションを行う際や仕事の指示を出す時に、組織のメンバーが理解できるように根拠に基づき、筋道立てながら説明を行うことは組織のメンバーとコミニュケーションを図る上で大切です。
このときに、論理的思考(ロジカルシンキング)を使わず曖昧な説明になってしまうと、指示を受ける側は「これは、自分がやらなければいけない仕事なのだろうか…」と感じてしまいます。その結果、話が進まず、組織の協力が得られないといった事態に陥ってしまいます。
また、自分が指示を受ける側の場合でも、同じ事が起こります。
指示を受ける側も、論理的思考(ロジカルシンキング)を使えていないと、組織のメンバーからの提案や新しいアイデアを理解することができません。
その結果、「そのアイデアは面倒臭そう」と感覚的な判断をしてしまい、せっかくの新しいアイデアを拒絶してしまうことにもなります。
年齢も性格も多種多様な人たちが集まる組織の中で適切なコミュニケーションを図り問題解決を実行していくためにも、論理的思考(ロジカルシンキング)はより一層求められるようになってきています。
論理的思考(ロジカルシンキング)を身につけるメリット

論理的思考(ロジカルシンキング)を身につけると以下のメリットを得ることが出来ます。
1.問題解決スキルの向上
前章の通り、目の前の問題を体系的に整理し、正しく状況を把握する論理的思考(ロジカルシンキング)を身につけることができれば、問題解決のスキルが飛躍的に向上します。
2. 文章作成が上手くなる
論理的思考(ロジカルシンキング)は、道筋を立てて説明するといったスキルが身につくため、文章の組み立て方や文章表現が豊かになります。
また、物事を的確に伝えられるようになるため、コミニュケーションがより円滑に進むようになります。
3.プレゼン力や提案力の向上
商談相手に対して根拠を示しながら納得感のある提案ができるようになります。
また、筋道を立てながら提案を行うことで相手にも伝わりやすくなるため、あなたの提案が採用される確率も上がります。
4.情報の取捨選択が上手くなる
最近はインターネットやSNSなどで検索すれば多くの情報があります。
そこで論理的思考(ロジカルシンキング)を養うことで、膨大な情報の中から自分に必要な情報を選ぶことで、正しい結論を導き出すことができます。
つまり、無駄な情報に振り回されたり、誤った判断をせずに済みます。
5.コミュニケーションスキルの向上
コミュニケーションスキルは、聴く力・伝える力が必要になります。
聴く力は相手の価値観や考え方を正確に理解する力で、伝える力は自分の価値観や考え方を正確に理解してもらうことが出来る力です。
論理的思考(ロジカルシンキング)を養うことで、この両方の能力が高まります。
論理的思考(ロジカルシンキング)を鍛える方法
論理的思考(ロジカルシンキング)を鍛えるためにはどうすれば良いのでしょうか。ここでは代表的な4つの方法をご紹介させて頂きます。
1.抽象的な言葉を具体化していく
まずは、普段の何気ない会話で使っている「抽象的な言葉」を具体的に話す習慣を身につけていきましょう。
例えば、以下の通りです。
例1:「業績達成に向けて頑張ります!」→具体的にどう頑張るかを明確にする。
例2:「なるべく早めに提出します!」→具体的な提出時間を伝える。
抽象的な言葉は、自分の気持ちが相手に正確に伝わっていないことがあります。
あなたの発言が全ての人にイメージできるように伝えるためには、より具体的な言葉に変換していく必要があります。
2.クリティカルシンキング(批判的思考)を併用する。
論理的思考(ロジカルシンキング)を鍛えるためには、自分の「考え方の癖」を把握しておく事も大切です。
また、考え方の癖の改善には、「クリティカルシンキング(批判的思考)」と呼ばれる、意図的に自分の考え方を批判してみるといった思考法もお薦めです。
クリティカルシンキングを養う事で、自分の偏った考え方や固定概念に捕らわれずに物事を見る力が身につきます。
3.本質的な課題を押さえる
論理的思考(ロジカルシンキング)で考えるためには、「本質的な課題」を押さえる事も重要です。
例えば、「仕事だからシステムの改修を行なっている」といった働き方と、「このシステムが改善されればユーザビリティが上がりコンバージョン率も高まる」といった目的が明確になっている働き方では雲泥の差があります。
前者の仕事はただの「作業」です。後者のような「今、目の前で行なっている業務は、具体的にどのような課題を解決できるものなのか」ということを常に考えて仕事を行いましょう。
4.根拠と主張を組み立てながら話す。
上記の「本質的な課題」を押さえることができたら、次は自分なりの主張を行なっていきましょう。
伝え方のコツは、自分の主張に「なぜそうなのか?」といった根拠をセットにして話すようにしましょう。そうすることで、あなたの提案の説得力がぐんと上がります。
論理的思考(ロジカルシンキング)に活用できるフレームワーク
論理的思考(ロジカルシンキング)に活用できる「ロジックツリー」と呼ばれるフレームワークをご紹介します。
ロジックツリーは、今抱えている課題を見える化で把握し、原因の特定を行い、問題解決のアクションプランを決めていくために作るフレームワークです
ロジックツリーには以下の種類があります。
▼原因研究型
「原因研究型」は何が主に原因で悪いのか、そのひとつひとつの原因を具体的に理解することができます。
▼問題解決型
「問題解決型」ロジックツリーは、解決したい課題に対して、どのような改善策やアクションプランがあるのかを決めていく際に使います。
まとめ|論理的思考(ロジカルシンキング)を鍛えてビジネスで活かそう!

論理的思考(ロジカルシンキング)はビジネスシーンで活用できるため、社会人として身に着けておいた方が良い思考法です。
今回紹介した鍛え方やフレームワークを参考に論理的思考(ロジカルシンキング)を鍛え、ビジネスで役立ててみてはいかがでしょうか。