Society5.0とは?Society5.0における企業の取り組みを併せて解説!

  • 2022年12月30日
  • SDGs
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テレビやニュースサイトなどで、Society5.0(ソサエティ5.0)を目にする機会が徐々に増えてきたという方も多いのではないでしょうか。

しかしながら、どのような意味があるのか、分からないという方がほとんどだと思います。

そこで、この記事では、Society5.0の概要や企業の取り組みや社会やビジネスにもたらされる課題や、問題点について紹介していきます。

Society5.0 とは

Society5.0とは、現実空間と仮想空間が一体となり、経済発展と社会的課題の解決を両立する社会のことです。

具体的に言えば、現実空間でIoT機器を活用して仮想空間へ情報を蓄積し、ビッグデータにてAIで解析し、解析した結果を現実空間へ還元することで、最適化された社会をつくる仕組みのことをいいます。

これまでの社会は、下記のような変遷をたどり、現在の社会を作りました。

Society1.0/狩猟社会:人が狩りなどで自然から恩恵を受けるだけの社会

Society2.0/農耕社会:田畑を耕すなど食糧を育てて収穫する社会

Society3.0/工業社会:工業化が進んで規格品を大量生産可能にした社会

Society4.0/情報社会:インターネットの普及により情報が価値を持つ社会

Society5.0/超スマート社会:仮想空間と現実社会を高度に融合したシステムで発展する社会

現在の社会は、人間が仮想空間にあるデータベースにインターネットを経由してアクセスし、情報を解析してきた「Society4.0/情報社会」に位置します。

Society5.0で描かれている社会像とSociety4.0までの社会が抱える問題

政府が目指す社会像は、「国民の安全と安心を確保する持続可能で強靱な社会」「1人1人の多様な幸せが実現できる社会」です。

その社会像の実現のためには、Society4.0までの社会が抱える問題を解決していかなければなりません。

Society4.0である現代社会では、分業化や情報共有による効率化が、確実に進んでいます。

しかしながら、豊富過ぎる情報から必要な情報を見つけるための負担や、公平な知識・情報の共有は不十分だといった課題も生じています。

これに対し、Society5.0が実現する社会では、IoT機器によって全ての人とモノが接続され、膨大な知識や情報が一元化され、AIの活用などによって、必要なときに必要な情報が提供されるようになります。

加えて、ドローンなどのロボットを通じて深刻化する人手不足を解消し、幅広い要望へ応えることで暮らしやすい社会が実現するでしょう。

さて、Society4.0までの社会が抱える問題とその解決策をより具体的に考えてみると、以下の5点が重要です。

・技術利用による人手不足の解消

・スマートシティ化による地球温暖化問題の解決

・スマート農業の普及による商品増産や食品ロスの削減

・ロボットやAIの導入による医療・介護対応の緩和

・自動運転バスによる地域格差を解消

ここでは、上記5点について説明していきます。

技術利用による人手不足の解消

近年、人手不足のために事業の継続が危機に晒される企業が増えています。

そこでSociety5.0では、AIやロボットなどの技術を活用して情報を収集し、ビッグデータの分析を通じて、人の判断が不可欠であった作業の代行や支援を担うことにしました。

例えば、製造業では、精度の高い需要予測にもとづいた生産計画や在庫管理によって供給を最適化することや、産業用ロボットの導入による生産工程の自動化が進められます。

スマートシティ化による地球温暖化問題の解決

地球温暖化は、長年問題視されている課題で、日本は温室効果ガスの排出量について、2050年までに80%減達成を目指しています。

2020年、日本の温室効果ガスの排出量は前年度比5.1%減の11億5,000万トンで、減少傾向にあることが分かります。

このような減少傾向によって、データを活用したエネルギー消費量の見える化が、有効であるということが明確になりつつあります。

そのため、Society 5.0は、スマートシティの取り組みを通し、エネルギーの無駄を減らすことで、温室効果ガス排出をさらに抑えることができるのです。

スマート農業の普及による商品増産や食品ロスの削減

商品の増産や食品ロスの削減も、Society 5.0の目標の1つです。

この問題の解決に向けてSociety 5.0では、ロボット技術や情報通信技術の活用で省力・精密化を推進するスマート農業を取り入れています。

すでに、スマート農業は行われており、本格的に普及することで食品の計画的生産や、無駄な食料を減らせるようになるのです。

ロボットやAIの導入による医療・介護対応の緩和

少子高齢化が、進行することで医療・介護の需要が高まり、医師の高齢化や医療従事者の人手不足が、深刻になっていくのに加えて、地域の医療格差が引き起こされる懸念もあります。

そこでSociety 5.0では、オンラインでの遠隔診療や医療現場へのロボットやAIの導入を促進し、医療・介護の対応への緩和を試みるのです。

自動運転バスによる地域格差を解消

日本では、地方の人口減少によって、財政力や所得の格差が発生しているのも大きな問題の1つです。

人口が減少すると、その地域の財政力が低下すると同時に、公共サービスなども十分に行うことができなくなります。

すると、必然的にさらなる人離れを引き起こしてしまい、地域間の格差が広がるという悪循環しか生まれかねません。

Society 5.0では、地域間の格差の問題を解決するため、ドローンによる配達や自動運転のバスによる交通手段の確保を進めています。

これらの対策は、高齢化社会の問題も同時に解決できる策として、地域住民の快適な暮らしを実現する策としても、積極的に進められているのです。

Society5.0の実現に向けての取り組み例

Society5.0の実現に向けて、徐々に推進されている動きが見られる産業分野も少なくありません。

ここでは、Society5.0の実現に向けた推進事例を、産業分野別に紹介していきます。

医療・介護分野

医療分野では、AIやタブレットを用いたオンライン診療(遠隔診療)や、手術支援ロボットが導入されています。

加えて、介護分野ではセンサーなどによる見守りシステムが導入されており、在宅介護の場合には、要介護者の自宅のスマートホーム化を実施することができます。

移動・モビリティ分野

高齢化社会や、地域の格差問題に対応する取り組みとして、自動運転バスの実証実験が進められていますが、現時点では法律や安全面から自動運転バスは公道を走行することはできないため、まずは施設内の移動する手段として導入が進んでいくでしょう。

加えて、あらゆる交通機関を一元管理するためにアプリによる効率化も進められています。

公共機関の経路や料金の提案から、決済まではもちろん、その間に利用する、レンタカーやカーシェアの予約なども1つのアプリで完結できるようになっているのです。

製造・ものづくり分野

センサーによる情報の収集やAIの活用、産業用ロボットや協働ロボットなどの技術の導入が進められています。

これまで、人間が行なっていた作業をロボットへ継承することで、人手不足の解消や業務効率化、品質の安定などの効果が、生まれていきます。

加えて、世界各国の工場をIoT機器とインターネットの活用で繋ぎ、情報を集積することで、各国の生産状況や需要を把握する取り組みも行われています。

エネルギー分野

気象予報士の予測や気象データ、地域別や業種別の電力需要データなどのビッグデータをAIが解析し、電力の需要予測や需給管理などに用いられています。

温室効果ガスの削減には、利用者が省エネを意識することが大事です。

家庭向けとしては、スマートメーターの計測によって、家電ごとの電気使用量の見える化が可能になります。

公共サービス・防災分野

公共サービスでも、AIを使った自動応答サービスなどの採用がはじまっています。

他にも、橋や道路、トンネル、水道管などライフラインの損傷状況をAIが測定するシステムなどを、試験的に導入する自治体もあるのです。

農業分野

農業では、トラクタや田植え機、コンバインといった農機の自動化・無人化の導入、AIによる画像認識技術を活用したトマト収穫機や、AIが飛行経路を決定して自動航行する農薬散布ドローンも実用化され、農業の効率化を実現しています。

教育分野

AI技術の発達のお陰で、ICT技術やロボットによる代替が可能となった今、求められる人材の育成に取り組んでいます。

今後、必要とされていくのは、AIには補うことができない能力です。

例えば、文章や情報を正確に読み解いて対話する力や、思考・感性などの可変的なものを活用する力などが挙げられます。

Society5.0の課題や問題点は?

人々の生活の質を向上させるためのSociety5.0ですが、課題や問題点がないとは言い切れません。

ここでは、Society5.0の課題と問題点

・セキュリティー問題への懸念

・プライバシー問題が懸念される

2点を解説します。

セキュリティー問題への懸念

Society5.0が、推進される社会の中では、個人情報の流出やハッキングなどセキュリティ問題への懸念がされています。

多くの企業では、セキュリティシステムを導入しているものですが、そのシステムが100%安全だとは言い切れない現状です。

プライバシー問題が懸念される

AIで、情報を分析するためには、個人のプライバシーに関わる情報を収集する必要があります。

検索履歴や位置情報など、企業によってはそれらの個人情報を取り扱う方法が、厳格に定められていない可能性も考えられるでしょう。

プライバシーを守るためには、個人情報を取得した場所や使用するプロセスなどを明確化させることが重要です。

まとめ

仮想空間と現実社会が高度に融合するSociety5.0が実現されれば、社会への大きな変革となるでしょう。

公平な知識・情報の共有の推進、エネルギー消費量の見える化による温室効果ガスの削減、地域の格差の解消など、社会的課題の解決が見込まれています。

加えて、医療分野や製造分野などの多くの産業分野においては、すでにSociety5.0の実現に向けた動きが進んでいるのです。

現在の情報社会の先にある「超スマート社会」の到来に向け、ここは時代の当事者としての行動を起こしてみるのはいかがでしょうか。

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